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Fujita.m/エピソード3

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「中大規模木造建築」+「設計施工提案」 グッドデザイン賞への挑戦

 

私たちは設計提案を強化していくために、社内設計力を上げていく必要がありました。

 

そこで、設計者募集することになり、ご縁があって澤田伸一(現 本社設計室 室長)と出会うことになりました。

彼が入社してから、彼とは中大規模木造建築の可能性や魅力、設計施工提案での受注をどうすればいいのか、よく飲みながら語り合ったものです。

 

設計力を高めることができれば、設計施工一貫体制での受注の可能性は広がっていくのか?

そんな簡単なものではない。

 

いつも彼と話をしていたのは、

設計力のある設計士は多くおられる。

でもオファーが絶えない人との差はなにか?

設計力やデザイン力が優れているからか?

それだけじゃない。

クライアントが望むものや表現したいものをヒアリングし、それを建築として形にする。

決してクライアントの想像しているプランを提案するだけでもない。

クライアントが想像している以上のものをご提案出来たときにクライアントからGoサインを頂けるのではないか。

 

設計力とは、作品を世の中に実在させることができる、させたいと想って頂ける提案力(ストーリー、コトづくり、コストパフォーマンス)だと確信しました。

我々がやるべきこととは、やはり実績を積んでいくことは大切ですが、我々の挑戦をどうすればPRできるのかと議論しました。

 

そこで澤田からの提案がありました。

実在する作品があって、デザイン力(発想力)その作品のストーリーや、世の中に影響を与える可能性のあるもの・与えてきたものに対して評価されているグッドデザイン賞に挑戦しようという提案です。

田舎の工務店がそんな賞を受賞できるのかと思いましたが、とにかく挑戦してみようということになりました。

 

1年目挑戦した作品では、一次審査は通過しましたが、二次審査であえなく落選してしまいました。

 

 

2年目にチャレンジした作品は、クライアントが阪神間で会社経営をされている方でしたが、兵庫県丹波市に魅了され、ここに住居を構えたいというご家族のオフィス兼住宅です。

クライアントと共に、土地探しからのスタートとなりました。

丹波の魅力や仕事のお話をする機会が幾度と増え、予定より大きめの土地でしたが、クライアントにメリットがあると考え、お連れして土地のご紹介をし、大変気に入っていただくことができました。

そして土地のご購入前に、どのような住居、コストでご提案できるか、プレゼンの機会を頂きました。

 

まず、プレゼンを作成していく前に社内でキックオフミーティングを開催しました。

今までクライアントとたくさんお話をさせて頂き、おおむね住宅規模やご予算もお聞きしていましたが、クライアントが丹波に魅了され、オフィスも丹波に構えたいという夢を語られていたことをプレゼンに活かしていくことになりました。

建物の規模やコストも大きく変わり、クライアントから「そんな提案など望んでいない」と言われるリスクはありましたが、いままで共有してきたストーリー(コトづくり)を表現し提案するしかないという結論になったのです。

設計の澤田とプレゼンの方向性を確認し、クライアントにご提案することになりました。

 

その作品が、【保月の家】

住宅・ゲストハウス・オフィスとしてプレゼンさせていただきました。

当初のヒアリングから、規模感・コストは3倍以上となりました。

 

プレゼンの結果、クライアントからは即決で「進めたい」というお言葉を頂けたのです。

 

そして、この作品はグッドデザイン賞2016、ウッドデザイン賞を受賞することができました。

 

授賞式の後に、設計の澤田と東京の居酒屋で祝杯をあげました。

この一度の受賞だけでなく、続けて受賞していける工務店になりたいと今後の挑戦を熱く語り合いました。

下記に「保月の家」プロジェクトストーリーを掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

 

「保月の家」 https://yoshizumi.co.jp/special2/index5.php

 

アワード受賞歴 https://yoshizumi.co.jp/news/detail.php?id=10318

 

次回は、工務店ができる住宅木造建築、中大規模木造建築のへの想いと可能性を書かせていただきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

株式会社吉住工務店 常務取締役 藤田瑞夫

 

 

 

■グッドデザイン賞 ギャラリー

https://www.g-mark.org/gallery/winners

グッドデザイン賞は、日本においてデザインの優れた製品やプロジェクトを表彰する賞です。

この賞は、日本デザイン振興会(現在は公益財団法人日本デザイン振興会)が1957年に創設しました。

グッドデザイン賞の目的は、デザインの質を向上させ、デザインが社会や生活に与える価値を高めることにあります。

この賞は、製品だけでなく、システム、サービス、空間など幅広い分野で授与されます。

 

審査基準は以下のようなポイントがあります。

1.利便性: 使用者の立場からの使いやすさや機能性

2.美観: 見た目の美しさや印象

3.イノベーション: 新しいアイデアや技術の採用

4.環境への配慮: 環境への影響を最小限に抑えた設計

5.社会的影響: 社会や文化への貢献度

 

受賞すると、製品やサービスに「Gマーク」と呼ばれるシンボルマークを使用することができます。

このマークは、多くの人々にとって、品質と信頼性の象徴となっています。

グッドデザイン賞は、企業やデザイナーにとって、自社のデザイン力と社会的責任の証明となる重要な賞であり、世界中で高く評価されています。

 

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